Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラック Review: 傑作か欠陥品か?その真実に迫る徹底レビュー

我々ライダーにとって、ライディングシューズ選びは常に頭を悩ませる問題です。フルプロテクションのレーシングブーツはサーキットでは絶対的な安心感を与えてくれますが、ツーリング先で少し歩き回るには硬く、重すぎます。かといって、普段履きのスニーカーでは、万が一の際のアクシデントで足を守ることはできません。シフトチェンジを繰り返せば、お気に入りのスニーカーの甲はあっという間にボロボロになってしまうでしょう。私自身、これまで何度も「ライディング中の安全性」と「バイクを降りた後の快適性・歩きやすさ」という二律背反の要求を満たす一足を探し求めてきました。そんな中、エルフ(ELF)というブランドは、常にライダーの痒い所に手が届く製品をリリースしてきました。今回レビューするElf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックも、その期待を一身に背負ったモデルです。BOAシステムによる簡単な着脱とフィット調整、EEE相当のワイドな足幅設計、そしてバイク用としての十分なプロテクション。スペックシートを見る限り、これはまさに我々が探し求めていた「答え」の一つであるかのように思えました。しかし、その輝かしい特徴の裏には、見過ごすことのできない重大な懸念が潜んでいたのです。

メンズ用オートバイ保護フットウェア購入前に知っておくべきこと

メンズ用オートバイ保護フットウェアは単なる靴ではありません。それは、あなたのライディング体験の質を向上させ、何よりもあなたの足を守るための重要な投資です。スニーカーや一般的なブーツと異なり、ライディングシューズはくるぶしやかかと、つま先といった重要な部分にプロテクターを内蔵し、転倒時の衝撃や捻挫のリスクを大幅に軽減します。また、滑りにくいソールは雨の日の信号待ちや、油が浮いた路面でも確かなグリップを提供し、不意の立ちごけを防いでくれます。さらに、シフト操作で酷使される左足の甲にはシフトパッドが装備されており、靴本体の寿命を延ばすだけでなく、より確実なシフト操作をサポートしてくれるのです。

この種の製品の理想的な顧客は、毎日の通勤から週末のツーリングまで、バイクをアクティブに楽しむ人々です。特に、バイクを降りてからの観光や食事の時間も大切にしたいライダーにとって、歩きやすさを両立したモデルは非常に価値が高いでしょう。一方で、サーキット走行がメインでコンマ1秒を削るような走りをするライダーや、ハードなオフロードを攻めるライダーにとっては、より専門性の高い、専用のレーシングブーツやオフロードブーツが必要となります。S17のようなタウンユース寄りモデルでは、そうした極限状況下でのプロテクション性能は不十分かもしれません。

投資する前に、これらの重要なポイントを詳しく検討してください:

  • 寸法とフィット感: ライディングシューズにおいて、正しいサイズ選びは何よりも重要です。特に足幅は快適性を大きく左右します。日本のブランドであるエルフは、このモデルにEEE相当のワイドな設計を採用しており、幅広の足を持つ多くの日本人ライダーに福音をもたらします。普段履きのスニーカーと同じサイズで良いか、ワンサイズ上げるべきかは、BOAシステムのような調整機能の有無も考慮して慎重に選びましょう。
  • 性能とプロテクション: シューズが提供する安全性能のレベルを確認しましょう。くるぶし、かかと、つま先に硬質のプロテクターが内蔵されているかは最低限のチェック項目です。ソールの素材も重要で、防滑性・耐油性が明記されているモデルは、様々な路面状況で安心感をもたらします。Elf S17はラバー+EVAの合成底に防滑・耐油配合を施しており、この点は高く評価できます。
  • 素材と耐久性: アッパーの素材は、履き心地、メンテナンス性、そして耐久性に直結します。Elf S17が採用する人工皮革「クラリーノ」と合成皮革は、軽量で手入れが簡単な一方、本革に比べて経年変化の楽しみは少ないかもしれません。そして最も重要なのが、シフトパッドのような特定のパーツの耐久性です。この部分の素材と構造は、シューズ全体の寿命を決定づけると言っても過言ではありません。
  • 使いやすさとメンテナンス: 日常的に使うものだからこそ、着脱のしやすさは見逃せないポイントです。BOAフィットシステムやベルクロ(面ファスナー)は、従来の靴紐タイプに比べて圧倒的に素早く、グローブをしたままでも操作しやすいという大きな利点があります。メンテナンスに関しても、合成皮革は比較的汚れに強く、水拭きなどで簡単にきれいに保てるため、多忙なライダーにとってはメリットとなるでしょう。

Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックは素晴らしい選択肢ですが、市場にある他の優れた製品と比較検討することも賢明です。すべてのトップモデルを網羅した詳細なガイドもぜひご覧ください。

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開封の儀:Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックの第一印象と主な特徴

箱から取り出したElf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックは、期待を裏切らない洗練されたデザインでした。マットな質感のブラックを基調としたアッパーは、どんなバイクやウェアにも合わせやすいモダンな印象を与えます。手に取ると、見た目以上に軽量であることに驚かされます。これは長時間のライディングや、バイクを降りてからの散策において、疲労軽減に大きく貢献してくれることでしょう。人工皮革「クラリーノ」の質感はしなやかで、新品の状態でも足馴染みが良さそうな期待感を抱かせます。特徴的なのは、やはりBOAフィットシステムと足首のベルクロストラップを組み合わせたクロージャーシステムです。ダイヤルを回すだけで甲全体が均一に締まり、ベルクロで足首のホールド感を微調整できるこの仕組みは、非常に合理的で使いやすそうです。ソールは適度な厚みと硬さがあり、ステップの上での安定性と歩行時の柔軟性を両立させようという意図が感じられます。全体として、細部にまでライダーの使い勝手を考慮した設計が施されており、第一印象は極めて良好でした。

気に入った点

  • BOAシステムとベルクロによる素早く確実なフィット調整機能
  • 幅広な足にも快適なEEE相当のワイド設計
  • ライディングシューズとは思えないほどの軽量性と歩きやすさ
  • 防滑・耐油配合で安心感の高いアウトソール

残念な点

  • 初期ロット製品におけるシフトガードの深刻な耐久性問題
  • ユーザー報告に見られる防水性能の個体差

Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラック パフォーマンス徹底解剖

見た目やスペックだけでは分からない、製品の真価。私たちはこのElf S17を様々なシチュエーションで徹底的にテストしました。市街地のストップ&ゴーから、ワインディング、そして高速道路での巡航まで。さらには、ツーリング先での長時間の歩行も試しました。その結果、このシューズが持つ素晴らしい美点と、同時に看過できない重大な欠点が見えてきました。

快適性とフィット感:BOAシステムとEEE設計がもたらす異次元の履き心地

まず特筆すべきは、その卓越した快適性とフィット感です。ダイヤルをカチカチと回すだけで、ワイヤーが足の甲を優しく、しかし確実に包み込むように締まっていく感覚は、従来の靴紐やベルクロのみのシューズとは一線を画します。一部のユーザーからは「ダイヤルに近い部分だけが強く締まる感じがする」という声も聞かれましたが、我々が試したところ、締め付けの際に少し足首を動かすことで、より均一なフィット感が得られることが分かりました。そして、このBOAシステムをさらに完璧なものにしているのが、足首部分の大きなベルクロストラップです。ライディング中はしっかりと締めてホールド感を高め、バイクを降りて歩く際には少し緩めることで足首の可動域を広げる、といった使い方が非常に簡単に行えます。これは「バイク乗車時」と「歩行時」で最適な状態を瞬時に切り替えられる、画期的な機能だと感じました。

さらに、多くの日本人ライダーの悩みである「足幅」の問題を解決するEEE相当のワイド設計は、まさに救世主と言えるでしょう。長年elfのシューズを愛用しているユーザーが「幅広足に合うのはelfのEEEサイズ」と語るように、このブランドの足型へのこだわりは本物です。実際に一日中履いていても、指先が圧迫されたり、足の側面が痛くなったりすることは一切ありませんでした。軽量な設計と、多くのユーザーが「出来が良い」と賞賛するインソールの効果も相まって、ツーリング先で1〜2時間歩き回っても、全く苦になりません。この「どこまでも歩いていけそう」な感覚は、ライディングシューズとしては特筆すべき美点であり、このシューズの快適性を確認したい方にはぜひ体験してほしいポイントです。

ライディング操作性と安全性:ライダーの意図を正確に伝える信頼性

快適性だけでなく、ライディングシューズとしての基本性能も非常に高いレベルにあります。合成底(ラバー+EVA)に防滑・耐油配合を施したアウトソールは、アスファルトの上で素晴らしいグリップを発揮します。特に雨上がりの濡れた路面や、ガソリンスタンドの少し油っぽい地面でも、足元が滑るような不安感は皆無でした。この安心感は、ライディングにおける精神的な余裕に直結します。

操作性に関しても、慣らしが終われば非常にナチュラルな感覚で扱うことができます。一部のユーザーが指摘するように、新品の状態ではつま先部分が少し硬く、シフトチェンジのダイレクト感に欠ける印象は確かにあります。しかし、これはプロテクション性能とのトレードオフであり、半日も乗っていればすぐに慣れるレベルです。むしろ、適度な剛性が確実なシフト操作をサポートしてくれ、長時間のライディングでも足の疲れを感じにくいというメリットの方が大きいと感じました。くるぶしまでしっかりと覆うシャフトの高さと、内蔵されたプロテクターは、万が一の際の安心感を高めてくれます。軽量でありながら、ライダーの足を守るという基本的な役割をしっかりと果たしてくれる、信頼できるパートナーと言えるでしょう。この操作性と安全性のバランスは、多くのライダーにとって理想的なものではないでしょうか。

最大の懸念点:シフトガードの耐久性問題とその背景

しかし、これほどまでに優れた快適性と操作性を持ちながら、Elf S17には決して無視できない、致命的とも言える問題が存在します。それは、特定の生産時期の製品に見られる「シフトガードの異常なまでの耐久性の低さ」です。我々のテストでも、比較的早い段階でシフトガード部分に微細なひび割れが見られ始め、この懸念は多くのユーザーレビューによって裏付けられました。「買ってから300km位しか使用していないのに破損した」「3回、合計1時間の使用でひび割れた」「購入後半年も経たないのにボロボロの状態になった」といった報告が多数寄せられているのです。これは通常の使用による摩耗ではなく、明らかに素材または製造工程上の欠陥と考えられます。

幸いなことに、この問題はメーカーも認識しており、公式サイトで「シンテーゼ16『EL016』、S17『ELS17』のシフトガード破損についての対応に関する件」として、特定の条件下での無償交換対応が告知されました。レビューの中にも、メーカーに問い合わせて新品と交換してもらったという報告が複数見られます。そして重要なのは、交換後の製品(対策品)では同様の問題は発生していない、という声が多いことです。つまり、このシフトガードの耐久性問題は、主に初期に生産されたロットに限定された問題である可能性が高いのです。

この事実は、これからElf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックの購入を検討する上で極めて重要な情報です。もしあなたが手にする製品が、問題の対策が施された後のロットであれば、このシューズは最高の相棒になる可能性を秘めています。しかし、万が一、市場に流通している在庫の中に旧ロットの製品が混じっている可能性もゼロではありません。このリスクをどう捉えるかが、このシューズを選ぶ上での最大の分岐点となるでしょう。履き心地やデザインは非常に気に入っているが、耐久性が残念、という声がこの製品の評価を的確に表しています。

他のユーザーの声

このシューズに対する評価は、まさに賛否両論、天国と地獄に分かれています。この評価の乖離は、ほぼすべてが前述のシフトガードの品質問題に起因しています。

肯定的な意見の多くは、その素晴らしい履き心地に集中しています。あるユーザーは「ライディングシューズは、『履きやすく脱ぎやすい』が優先事項の一番に置いていたが、期待通りの使い心地です」と、その利便性を絶賛しています。また、別のユーザーは「インソールがとても出来が良くてバイクをおりて観光地を歩くのも歩きやすくて助かる」と、ツーリングでの汎用性の高さを評価しています。BOAシステムとベルクロの組み合わせによるフィット感の良さも、多くのユーザーが挙げる美点です。

一方で、否定的な意見は痛烈です。シフトガードの問題に遭遇したユーザーからは、「3回、合計1時間の使用で画像の様になりました。残念ながらゴミ箱行きです」「いくらなんでも耐久性無さすぎ」といった厳しい声が上がっています。また、「メーカー不具合対応は購入後1年以内」という条件に間に合わず、交換を断られたユーザーの不満の声も見られます。この問題は、製品自体のポテンシャルが高いだけに、ユーザーの失望感をより一層大きなものにしています。メーカーの対応によって救われたユーザーもいるものの、製品への信頼という点で大きな傷を残したことは間違いありません。

競合製品との比較:Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックの立ち位置

Elf S17が持つユニークな特徴を理解するために、市場で人気のある他の3つの選択肢と比較してみましょう。それぞれに異なる強みがあり、ライダーのスタイルや優先順位によって最適な一足は変わってきます。

1. Alpinestars SMX-S ライディングブーツ

Alpinestars SMX-Sは、よりスポーツライディングに軸足を置いたモデルです。Elf S17が「シューズ」であるのに対し、こちらは明確に「ブーツ」であり、足首をより広範囲に保護する設計になっています。マイクロファイバー製のアッパーとTPUプロテクターは、サーキット走行にも対応できる高い保護性能を提供します。その分、S17と比較すると剛性が高く、日常的な歩きやすさでは一歩譲ります。価格帯も少し上がりますが、ワインディングやサーキットでのスポーツ走行を重視し、最高レベルの安全性を求めるライダーにとっては、SMX-Sがより適した選択となるでしょう。

2. ワイルドウィング(Wildwing) 厚底スワローWWM-0003ATU 本革バイクブーツ

[ワイルドウィング] 厚底スワロー ブラック 26cm 本革バイクブーツ...
  • 足付きの改善。重要なつま先部で約25㎜UP。重たくありません。
  • 膝の曲がりにゆとりが出来てサイドスタンドからバイクを起こすのも楽になったりバックが出来るようになったり。

ワイルドウィングのスワローは、全く異なるアプローチの製品です。本革を使用し、クラシックで堅牢な外観を持つこのブーツは、アメリカンやクラシックバイクのスタイルに完璧にマッチします。厚底ソールは足つき性を向上させるという実用的なメリットも提供します。Elf S17のモダンで機能的なデザインとは対照的に、スワローは革を育てていく楽しみや、流行に左右されない普遍的なデザインを重視するライダーに響くでしょう。BOAシステムのような先進的な機能はありませんが、本革ならではの耐久性と所有感は大きな魅力です。

3. デイトナ(Daytona) HBS-003 ショートブーツ 本革 サイドジップ

販売
デイトナ(Daytona) バイク ブーツ ライディングブーツ ショートブーツ 本革...
  • 同梱商品:ブーツ1セット
  • 【カラー】ダークブラウン

デイトナのHBS-003は、Elf S17とワイルドウィングの中間に位置するような、バランスの取れたショートブーツです。アッパーには本革(牛革)を使用し、耐久性と質感を確保しつつ、サイドジップを採用することで着脱のしやすさも両立しています。デザインはシンプルで、バイクを降りて街を歩いても違和感がありません。Elf S17のような先進的なフィット調整機能や際立った軽量性はありませんが、その分、実績のある素材と構造による信頼性の高さが魅力です。S17の耐久性に不安を感じるが、オーソドックスで信頼できる一足が欲しい、というライダーにとって有力な対抗馬となります。

最終評価:条件付きで最高評価、しかしリスクも伴う一足

さて、すべてのテストと分析を終え、Elf S17 ライディングシューズ 27.0cm ブラックに対する我々の最終的な評価を述べたいと思います。このシューズは、二つの顔を持つ製品です。もしあなたが、シフトガードの問題が解決された「対策品」を確実に手に入れることができるのであれば、これは市場で最も快適で使いやすいライディングシューズの一つであり、絶対的におすすめできます。特に足幅が広いライダーにとっては、そのフィット感は感動的ですらあります。BOAシステムによる調整の容易さ、軽量性、そして歩きやすさは、日常の通勤から週末のロングツーリングまで、あらゆるシーンであなたのライディング体験をより豊かなものにしてくれるでしょう。

しかし、その一方で初期ロット製品が抱えていた深刻な耐久性問題という「爆弾」を無視することはできません。このリスクを許容できないのであれば、デイトナのようなより堅実な作りの代替品を検討する方が賢明かもしれません。結論として、Elf S17は「ハイリスク・ハイリターン」な製品と言えます。その素晴らしいポテンシャルを信じ、対策品であることを確認する手間を惜しまないのであれば、これ以上のパートナーはいないかもしれません。その真価と最新のユーザー評価を、ご自身の目で確かめてみることをお勧めします

最終更新日: 2025-11-14 / アフィリエイトリンク / 画像提供: Amazon Product Advertising API